弁護士の就職難について

かつては司法試験に受かれば引く手あまたであり、しかも弁護士は儲けており、社会的にも尊敬されていました。しかし、現在は司法試験に受かったとしても、就職できない人が増えており、儲からず廃業する弁護士も多く、そういうこともあってか弁護士の社会的な地位も落ちてきています。司法修習を経てもどこにも就職できず、即時独立(いわゆる即独)する人も出てきていますが、その多くは結局は廃業しているようです。
このような変化は司法制度改革が行われ、「社会を法の光で照らす」という美名の下、司法試験合格者の三千人への増員が決定されたからです。その当時は、弁護士はそのくらい増やしても潜在的な需要があるので、溢れることはないと言われていました。例えば、企業法務などに弁護士が参入することが念頭に置かれていました。また、三割司法といわれるように、トラブルがあっても弁護士が少ないので、裁判に訴えることができないので、弁護士を増員する必要があるとも説かれていました。
また、司法制度改革の一環として、ロースクールが作られることになりました。ロースクールの建学の理念は、それまでの司法試験は「点による選抜」であり、暗記に頼り、学説等に対する深い理解が欠いていても受かってしまうという欠陥があり、それを正すべく「線による選抜」を行うというものでした。そして、このプロセスを経てロースクールを修了したものが受験する新たな司法試験の合格率は8割となるはずでした。
しかし、文部科学省がロースクールを地方大学を含めて大量認可したため、ロースクールの定員は当初は5000人を超えるものとなり、司法試験の合格率は2割台に低迷することになりました。
このように法律家の卵が置かれる環境は厳しいものがあります。苦労して司法試験に受かっても弁護士になることすらできないのです。従って、ロースクールの入学者は減る一方であり、優秀な人材は法律家を目指さなくなってきていると言われています。